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最高裁判所第三小法廷 昭和29年(あ)1260号 決定 1954年10月19日

主文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人太田逸二の負担とする。

理由

被告人臼井弘幸の弁護人谷忠治の上告趣意は、事実誤認、法令違反の主張を出でないものであり、被告人太田逸二の弁護人田中政義の上告趣意は、違憲をいうが、その実質は訴訟法違反の主張であって、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない(控訴裁判所が、強盗の起訴に対し強盗幇助と認定した第一審判決を破棄して、自ら恐喝と認定するについては訴因罰条の変更手続を経る必要はないものと解すべきである)。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上 登 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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